CLAMPのおいしさが詰まったバウムクーヘン! 「こばと。」で紡がれる愛の形 | アニメ!アニメ!

CLAMPのおいしさが詰まったバウムクーヘン! 「こばと。」で紡がれる愛の形

『魔法騎士レイアース』が令和に蘇る今、名作が揃うCLAMP作品にあらためめて注目。『こばと。』で描かれるさまざまな“好き”の形をのぞいてみませんか?

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こばと。(1) 書影(角川コミックス・エース) 出典:Amazon
  • こばと。(1) 書影(角川コミックス・エース) 出典:Amazon

国内外で絶大な人気を誇る創作集団・CLAMPの代表作である『魔法騎士レイアース』が30年以上の時を経て再びアニメ化。メインキャストに佐倉綾音、大久保瑠美、高橋李依らを迎え、10月7日より放送スタートとなる。
『魔法騎士レイアース』が令和に蘇る今、名作が揃うCLAMP作品にあらためて注目。アニメライターが選ぶお気に入りの1作をご紹介したい。

こばと。(1) (角川コミックス・エース)
¥495
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

※物語のネタバレを一部含みますので、未読の方はご注意ください。

◆複雑な人間関係と、それぞれの「好き」

CLAMP作品の魅力といえば、多様な愛の形。年の差や性別、種族などさまざまな垣根を超えて、たくさんの「好き」を紡いできました。

そうした愛が幾重にも積み重なっていく作品のひとつが『こばと。』「月刊サンデーGX」と「Newtype」にて2005年から2011年まで連載されたマンガで、2009年秋からはTVアニメ全24話が放送されました。ほんわかとした絵柄やコミカルなギャグだけでなく、愛の描き方も魅力的な物語です。そんな『こばと。』の世界を、少しだけのぞいてみましょう。



主人公の花戸小鳩(こばと)と、ぬいぐるみのような見た目の生命体「いおりょぎ」が、とある町にやってきたシーンから始まる本作。「傷ついた心のカケラをビンいっぱいに集め、行きたいところに行く」という願いを叶えようと、こばとは人々を癒やそうと奮闘します。その最中に出会った青年・藤本清和や、藤本が手伝いをしている「よもぎ保育園」の園長・沖浦清花も、本作のキーパーソン。借金を抱えて廃園寸前の「よもぎ保育園」を手伝いながら、こばとはカケラを集めていきます。

読み進めていくうちにわかっていくのは、複雑な人間関係と、それぞれが抱える愛。藤本は幼い頃から付き合いのある清花を、そして清花は元旦那の沖浦和斗に想いを募らせていました。しかし和斗は、保育園を廃園に追い込もうとしている借金取り。借金返済のためにバイトに励んでいる藤本にとっては、許せない存在です。

3人の関係は、保育園を手伝うことになったこばとにも無関係ではありません。まずは清花の傷ついた心を癒やそうとがんばるこばとですが、ドジばかりしてしまい藤本は呆れ顔。いじわるな物言いの藤本に、こばとはむっとしていました。しかし藤本の不器用な優しさを知っていくうちに、こばとは藤本への「好き」を抱くようになります。

「好きになった相手には、すでに好きな人がいる」という状況は、これだけではありません。実はいおりょぎにも、心に決めた相手が。しかしその相手に再び会うためには、こばとの願いを叶えなければなりません。

ほかにもさまざまなキャラクターが自分なりの「好き」を大事にしている本作。それぞれの「好き」が重なり合いながら紡がれる物語は、まるでバウムクーヘンのように多層的で、おいしさが詰まっています。

◆CLAMP流の愛の形

どれだけ人間関係がこじれていても、好きな人を力ずくで奪い取る、という結論には至らないのが『こばと。』ならでは。好きな人が別の人を好きでもかまわない、相手が幸せになれる手伝いをしたい、という愛の形が描かれます。藤本は清花のために、こばとは藤本のために、そして清花やいおりょぎも、大切な人のために自分ができることを選んでいきました。

しかしなかには、相手の幸せのために自分を犠牲にしてしまうキャラクターも。これをただの美談として片付けず、「あなたが犠牲になると哀しむ人がいる」という点にきちんと触れているのもCLAMP作品の魅力です。

好きな人を思いやるからこそ生まれるすれ違いや切なさ、そして登場人物たちがたどり着いた優しい未来に、マンガやアニメで触れてみてください。ちなみにアニメ版はマンガとは一部設定が異なっていますが、シリーズ構成にCLAMPの大川七瀬さんが参加していることもあり、違和感はそれほどありません。「もうひとつの『こばと。』」としてお楽しみください。

◆おまけ:バウムクーヘンをさらにおいしく味わうために

『こばと。』を味わい深くしているもうひとつのポイントが、歴代CLAMP作品とのつながり。「異なる世界にも同じ顔と魂の自分がいる」というCLAMP作品のお約束に従って、本作にも見覚えのある人々が多数登場します。

たとえば『ちょびっツ』や『xxxHOLiC』、そして『Wish』のキャラクターたち。とくに『Wish』は『こばと。』と世界観も連動しているため、一緒に読んでおくと両作品をさらに楽しめます。

多様な愛とCLAMP作品の歴史が層を重ね、読み応えのある物語に仕上がった『こばと。』。しかし長さは全6巻とコンパクトにまとまっているので、一気読みにもおすすめです!

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《ハシビロコ》

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