ドイツで開催されたヨーロッパ最大級のアニメイベント「AnimagiC 2026」。原作者の𠮷村旋先生、シャフト代表取締役・久保田光俊氏、サイバーエージェントプロデューサー・椛嶋麻菜美氏の3名が本イベントに登壇し、作品の魅力や、ライブドローイングを披露し、会場は大盛況となりました。
実際に現地を訪れて肌で感じた海外アニメファンの熱気や、温かい交流のエピソード、そして性別非公開で行われた異例のオーディションの裏話などお話を伺いました。

ーーー「AnimagiC」の会場の雰囲気はいかがでしたでしょうか
𠮷村すごく盛り上がっていましたし、最初のオープニングセレモニーにも登壇させていただいたときは「この盛り上がりの中に自分が出ているのか」と思って、めちゃくちゃ緊張してしまいました。なにより、熱量を感じて、本当にびっくりしました。
久保田同じくです。ものすごい大勢の方たちが集まってくださっていて、オープニングのときもパネルのときも、皆さんが楽しんで参加してくださっている感じがしました。コスプレのままご参加くださっている方もいらっしゃいましたし、いろんなアニメに触れることをすごく楽しんでいる感じが伝わってきましたね。
椛嶋お客さんとの距離が、思ったよりだいぶ近かったです。大きな声援で迎えていただけて驚きましたし、嬉しかったです。物理的な距離だけではなく、心の距離も近く感じることができました。
ーーー今回AnimagiCに参加されるにあたって、一番楽しみにされていたことはありましたか?
𠮷村まず「どんな場所なのか」ということですね。ホームページでは見られたのですが、それ以外の情報が全く分からなかったので、建物の雰囲気、中の様子、人の感じまで、すべて雰囲気を楽しみにしていました。実際に来てみてとても感動しましたし、盛り上がり方が本当に思った以上でびっくりしました。
久保田やはり、僕らが作っているアニメだけでなく、色々な作品のアニメファンの方々が集まる場所なので、ヨーロッパのこの街にどんなアニメファンの方が来てくださるんだろう、と思っていました。到着したときは、緑や歴史的な文化を感じる、とてもきれいで落ち着いた街という印象だったので、「ここにそんなにアニメ好きな方がいるのだろうか」と思っていたんです。でも、昨日から雰囲気がガラッと変わって、街中をコスプレした方が歩いていたりして。熱量という意味では日本と変わらないアニメファンの方たちが集まってきているんだなと感じました。
椛嶋今年は「Anime Expo」にも参加させていただいたので、どんな雰囲気の違いがあるのだろうということが一番楽しみでした。ヨーロッパ最大規模と聞いていたので、いらっしゃるお客さんの世代や雰囲気など、とにかくすべてが楽しみでしたね。
ーーー会場の雰囲気で「ここにびっくりした」とか、印象に残ったことがあれば教えてください
𠮷村日本だと、コスプレイヤーさんがとことんこだわり抜いているイメージがあるのですが、ここではウィッグをかぶっているだけという方も多くて。そういったフランクさというか、気軽な感じでみんながコスプレを楽しんでいるのがすごく印象的でした。
久保田本当にみんなが楽しんでいるということが一番印象的で、みんなうれしそうで。いろんな方が声をかけてくれたりして、すごくフランクな雰囲気を感じましたね。
椛嶋歩いているだけで「パネルに出演する人だ」と皆さんに分かるんだなと気づいたのですが、「パネル出られるんですね、頑張ってください」と声をかけてくださったりして、みんな優しいなと思いました。
ーーーパネルが終わったあとなど、ステージ上から観客の皆さんのご様子はよく見えたかと思います。何か印象的なことはありましたか?
𠮷村実は、壇上では緊張していて、お客さんに焦点を合わせないように、できるだけぼんやり見ていたんです。ただ、最後に皆さんがお帰りになるときに、一人ずつ出てきてくださって、しっかりご挨拶をさせていただきました。皆さんすごく優しくて、「ありがとうございました」と日本語で話しかけてくださる方がとても多くて、そこにもびっくりしました。アニメを通じて言葉まで覚えてくださっていたりして、最初に申し上げた熱量もそうですが、優しさを感じました。最後にはひなせのコスプレをしていた方と握手もしていただけて、本当にうれしかったです。
久保田ライブドローイングの時間があったのですが、吉村先生が20分もかけずに描き終えられていたので、驚きました。そして、達者な方なんだと改めて感心しました。コスプレの方がいらっしゃったのもびっくりしたのですが、吉村先生にお会いできたことにすごく感動されていたのが印象的でした。
椛嶋すごく真剣な気持ちが伝わってきて、こちらの身も引き締まる思いがしました。映像もほんの一部しか解禁できなかったのですが、そのあとの制作の裏側のトークも一つ一つ集中して聞いてくださって、この方たちのために作っているんだな、ありがたいな、と思いました。
ーーー今回のオーディションについて、どのように選ばれたのでしょうか。今後のキャスト発表を楽しみにされているファンの方も多いと思いますので、何かヒントをいただけますか?
椛嶋今回は少し特殊な方式を取らせていただいていて、キャスト名が誰なのか分からない状態、性別もどちらか分からない状態でオーディションを開催しました。最初にボイスを集めて、100名以上の中から、それぞれのキャラクターを選んでいくという形で進めました。
安済さんに関しては、そのようなやり方の中で、音響の吉田監督、春藤監督、𠮷村先生をはじめ全員一致で「安済さんがいい」という結論になりました。無性別という難しい役どころを、繊細に、そしてものすごい情熱を持って演じ切ってくださっていて、まさにピッタリだなと思っています。その点をまず楽しみにしていただきたいですし、それ以外の方々についても、そのキャラクターらしいと思えるような人選になっていると思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。
ーーーティザーPVをご覧になっていかがでしたでしょうか
𠮷村初めてキャラクターが動くところを見ることができたので、それだけですごく感動しましたし、声がついたのも初めてでした。もちろんアフレコで事前に聞いてはいたのですが、実際に映像と重なって見たのは今回が初めてで。ターコイズの表現とか、最後にピカッと光るところなど、細かく見るとすごくいろんな表現があって、目のキラキラした描写もとてもきれいで。素晴らしい仕上がりにしていただいているので、ぜひ皆さんも細かい点まで、ティザーPVをご覧になってみてください。
ーーー吉村先生は漫画家になることはずっと夢としてお持ちだったのでしょうか。いつごろから目指していらっしゃいましたか
𠮷村ぼんやりとは小学生の頃から絵を描くのが好きだったので、自由帳などに漫画を描いたりして、いつかやりたいなとは思っていました。ただ、しっかりと漫画家を目指し始めたのは大学に入ってからです。原稿用紙やペンを買って描き始めたのが大学入学後なので、本格的に目指したのはそのころだと思います。
ーーー本作はどのような方々に見ていただきたいと、先生ご自身はお考えでしょうか
𠮷村本当におそらく誰でも、「学生の時にこういうことあったよね」と感じていただける作品だと思います。大人の方もそうですし、今まさに学生の方には「あるある」と感じていただける部分もあると思います。日本では小学生の低学年の方からもお手紙をいただいたり、かわいいシールを添えてプレゼントしていただいたりすることもありますし、学校の先生からお手紙をいただいたこともあります。本当にどなたでも楽しめる作品ですし、アニメでもさらに進化していますので、ぜひ世界中すべての方に見ていただきたいです。
ーーー最後に、アニメを楽しみにしているファンの方々へメッセージをお願いします
𠮷村私自身がおそらく一番楽しみにしていますので、私に負けないくらい楽しみにしていただけるとうれしいです。
久保田僕も一番楽しみにしています(笑)。やはり原作ファンの方々はアニメをとても楽しみにしてくださっていると思いますが、アニメーションで初めてこの原作の映像化に触れる方々にも十分楽しんでもらえるよう、いろんなものを詰め込んでいます。あまり難しく考えずに、いろんな方に見ていただいて喜んでもらえると思いますので、ぜひお楽しみにお待ちください。
椛嶋どの時代に見ても普遍的に大切にしたいことは変わらないと思いますが、それを体現できているアニメーションになると思います。アニメオリジナルの展開なども考えていますので、ぜひ楽しみにしていてください。

(C)𠮷村旋/SQUARE ENIX・性別「モナリザ」の君へ。製作委員会





